改善ルールを決めないと、現場は改善をやめてしまいます。

以前にもお話しましたが、基本的に現場は現状志向です。

今の仕事が一番大事です。

今の仕事・役割に改善を組み込まなければ、改善を辞めてしまうでしょう。

大事な事は改善は今やるべき事だと認識させる事であり、習慣づけしていく必要があります。

改善活動の正当化

改善活動の正当化

改善チームの必要性

改善対象や改善案の骨子が出来上がってきたら、改善チームを立ち上げる事を推奨します。

理由は主に3つ。

一つ目は全社で取り組むと仕事がストップしてしまうからです。

当然ながら、全員で活動するというのは非常に負担が大きいです。

負担を感じると言い訳が出来てしまい、やらない理由を作りやすくなってしまいます。

二つ目は全員で活動しようとすると他人任せになってしまうからです。

責任感が生まれず、誰かがやってくれると思い、積極性が失われます。

三つ目は活発な意見を取り入れたいからです。

そもそも現場の方は表現が苦手、おしゃべり好きな人や、威厳のある人以外、意見を出せない状況も多く発生します。

若手+面倒見のいいベテランのチームや、やる気の感じられるメンバー構成など

意見を出せる環境づくりをする事で、改善の効果にも差が出てくると考えます。

改善日程・時間

改善チームの推奨理由にある通り、負担が大きすぎると言い訳がしやすくなってしまいます。

ですので、改善日程は週1日程度、活動時間も1~2時間程度に留めておく事が良いと思います。

その中で、明確にまとまった時間が必要な場合に限り、日数を増やしたり、時間を増やしたりする事で対応します。

もちろん時間を延長する理由は、改善チームリーダーから、社長へ説明する事もルールの一つです。

理由を説明出来て、時間の調整を出来るようになった改善チームは、目的遂行力の高い良いチームだといえます。

社長や管理者の役割

社長はまず改善チームの編成と承認を行います。

編成では立候補を募りましょう。

それと同時に社長はある程度メンバーをピックアップしておき、推薦する形で参加を促すというのが良いかと思います。

完全に社長が決めてしまうと、選考理由に対するモヤモヤ感が広がって、社内の雰囲気が悪くなることもあります。

メンバーを承認したら、活動ルールの整備や、承認にも参加し、改善活動を全面的に正当化します。

これまで、これやっといてといった安易な指示を行っていた場合と比べ、与える責任感は大きくなるはずです。

また、社長や管理者は改善チームの進捗をチェックする必要があります。

改善チームの活動の停滞などを発見した場合はすぐに、なぜ停滞しているのかを考え、フォローしていく事が求められます。

当然改善チーム活動に対する評価も行いましょう。

朝礼などで褒めるようにするなどして、彼らのやる気を持続させるのも一つの方法だと考えます。

まとめ

改善チームやルールを整備することは改善活動を正当化します。

これらを決めないと現場は改善を辞めてしまいます。

現場にいかにやる気になってもらうか、また責任感を刺激するかで改善効果は大きく変わってくるでしょう。

また、それを習慣化し、改善活動が当たり前の仕事になってくれば、他のメンバーも次の改善時に参加してくれる可能性が高まると考えます。

是非、効果の高い改善をしていきましょう!

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この記事を書いた人

GFC 上村正和
GFC 上村正和 中小企業診断士・日本生産性本部認定経営コンサルタント・1級販売士

職人一筋、木工加工から精密金属加工までを経験。精密金属加工会社では工場長を務める。現在は、中小製造業を対象に現場が活きる経営のサポートを行っている。コンサルティングを中心にのべ100社の支援実績。「日本の製造業をもう一度世界一にしたい!」という想いで支援を続けている。