社長とお話している中で、関心の高い話題の一つがリーダーシップです。

特に2代目・3代目の製造業の社長には、理想のリーダー像への悩みがあるように感じます。

社長としてのリーダーシップはもちろん、現場リーダーに求めているリーダーシップについて興味を持たれています。

この記事ではリーダーシップとは何か?

必要な要素・求められる行動などについて、私の失敗を含めてお話していきます。

リーダーシップと日本

強いリーダー

リーダーシップとは「指導・指揮する行為そのもの」であり「統率力」といった意味合いもあります。

リーダーシップを発揮するという言葉を考えると、統率力の意味で認識されている方が多いかもしれません。

日本という国では、「強いリーダー」を求める傾向にあります。

グイグイ引っ張っていける人を望む一方で、実際に強い人が現れると「出る杭は打たれる」状態になる事が多いです。

身近にいると、新しい事をバンバン生み出す人を理解できずに反発しやすいのではないでしょうか?

本質的には協調性を大事にする文化があるので、世界的なリーダー像と日本のリーダー像では異なるように感じます。

 

リーダーの悩み

頼れないリーダー

リーダーシップは役職や役割、立場で求めらる場合が多いです。

会社を継いで社長になった場合、いきなりリーダーとしてのふるまいを求められてしまいます。

私は工場長という立場になり、「理想の強いリーダー」となるべく、厳しく部下に接しました。

工場長になるまで後輩が付いてきてくれている自負があり、厳しく接しても大丈夫だという過信があったのです。

結果はさんざんでした。

見事に部下から見放されて、改善が進まなくなってしまい、何がダメだったのかと悩み日々

リーダーとしてどう振る舞うべきだったのでしょうか?

 

フォロワー(追従者)の重要性

頼れるリーダー

人がリーダーとなる瞬間は、誰かが追従した(フォロワーになった)時です。

1人で仕事をしていても、そこにはリーダーは存在しません。

リーダーはフォロワーによってはじめて生み出されるわけです。

そう考えると、私は工場長になる前にフォロワーによってリーダーになる事が出来ました。

ところが、役職上のリーダーになった時に、自分を見失ったがために、フォロワーをも失ってしまったのです。

フォロワーの事を考え、彼らの能力を発揮できるように道筋を作り、

時には彼らのフォロワーとなって振る舞うのがリーダーとしての役目であったと今さら思います。

 

組織の士気を高める意味は

士気を高める

リーダーになったら、フォロワーの士気を高めていきたいですね。

やる気が生産性を高める事は間違いありません。

いやいやでやるのと自らやるのでは、違いが出る事は皆さんもご承知の通りです。

しかし、いきなりやる気を出せと言われてやる気が出る人はいません。

大事な事はリーダーがビジョンを示し、彼らのやる気の方向を会社のビジョンに近づけていく必要があります。

 

良いリーダーとは?

では、良いリーダーとはどのような人の事をいうのでしょうか?

良いリーダーとは
  1. 人として尊敬される人
  2. ビジョン・方向性を示す事が出来る人
  3. フォロワーを信頼して、仕事を任せられる人
  4. フォロワーのために行動できる人

大きくはこの4つであると考えます。

人として尊敬される

いくら経営力があって、成功しても尊敬されない人はいずれ1人になります。

これまでもメディアに取り上げられてきた剛腕社長達の中にも、

数年後に会社が倒産し大変な思いをされている方がいます。

尊敬されている方であれば、苦しい時にこそフォロワーから助けてもらえるはずです。

少しでも尊敬される人間になれるよう普段の生活や挨拶から始めていきたいもです。

 

ビジョン・方向性を示す事が出来る

いくら尊敬されていても、ビジョン・方向性を示す事が出来なければ経営に効果は発揮できません。

ただのいい人です。

会社が利益を上げるためには、ビジョン・方向性を示し、フォロワーに同じ方向を向いてもらう事で初めて

一歩一歩あゆみを進める事が出来るようになります。

道筋が分からない道を歩み続けるのはフォロワーにとって苦痛でしかありません。

「ゴールはまだか?」「道はあっているのか?」「行先きを変えたい」「最初からついて来たくなかった」

このような不満がでてもおかしくないでしょう。

みんなで一緒にゴールを目指し、達成した喜びを分かちあいたいものです。

 

フォロワーを信頼して仕事を任せられる

フォロワーがついた瞬間にリーダーは生まれます。

フォロワーはリーダーを信頼してついてきてくれるわけです。

信頼してくれているフォロワーを信頼出来ない人はリーダーとは言えないのではないでしょうか。

フォロワーはビジョンに向かって一緒に歩いてくれています。

そのたびに発生する問題や、ミッションに対し、リーダーだけが立ち向かっていると思うのは傲慢です。

彼らも一緒に立ち向かってくれています。彼らにも重要な仕事を是非与えてあげてください。

 

フォロワーのために行動できる

フォロワーはリーダーの示した方向に一緒に進み、立ち向かってくれています。

彼らの抱える困難や、彼らの働く条件を少しでも解決してあげたいですよね。

普段から彼らを見て、彼らと話していく事でチームとしての状況が分かってきます。

何に不満を持っているのか、その不満を解消できる方法は何か?

労働条件かもしれませんし、もっと夢のある仕事なのかもしれません。

少なくともただお金を出せばついてくるほど人は単純ではありません。

大事なのは人と人のつながりです。

フォロワーのために行動できれば、彼らも決して裏切らないでしょう。

 

リーダーに必要な要素

リーダーに必要な要素
  • コミュニケーション力
  • 決断力
  • 行動力
  • 共感力
  • 統率力

コミュニケーション力

組織・チームとして一つの目標に向かうためには、組織内のコミュニケーションが重要となります。

そのため、リーダーにはコミュニケーション力が求められます。

単純に人付き合いが上手いという事ではなく、

  • 適切な距離感で相手の話を聴く事ができ、相手のいう事を理解できる。
  • 自分の考えを相手に伝わるように話す事が出来る

といった能力が求められます。

 

決断力

組織・チームとして問題に立ち向かう際には必ず決断が必要となります。

ビジョンや方向性を決めるためにも決断が必要ですね。

決断が出来るという事は責任を負えるという事です。

これはリーダーに許された大きな権限であり、責務と言えるでしょう。

 

行動力

「背中で見せる」という男の美学があります。

リーダーが率先して行動する事で、人は付いてきます。

挨拶もリーダーが率先して行う事で、部下も自然と挨拶が出来るようになります。

仕事に対する姿勢とその行動力については部下は良く見ています。

リーダーの行動力が組織の行動力に直結すると考えます。

 

共感力

リーダーはフォロワーがいなければ存在できません。

部下=フォロワーに出来るように共感力を高め、行動する必要があります。

人は誰かに認めてもらいたいという欲があります。

共感する事が一番、認めて貰えていると感じるものです。

数字だけ見て、評価されても人は喜びを感じません。

共感してくれたうえでの評価を人は求めています。

 

統率力

統率力はまさに、リーダーの能力です。

具体的には、

  • ビジョンや方向性を示す事
  • そのビジョン・方向性に共感してもらう事
  • 適材適所に人を割当て、仕事を与える事
  • 適切な指示をし、そのフォローを怠らない事

このような能力であると考えます。

 

まとめ リーダーとして大切な事

日本のリーダーには、協調性が求められます。

日本人はフォロワー力が強い事がその要因にあると私は考えます。

つまりこのフォロワーの気持ちを掴んでしまえば、

彼らはちょっとやそっとでは揺らぎません。

フォロワーとのコミュニケーションを通じて、

彼らに尊敬されるように振る舞い、そして彼らと一緒に進みたい未来を語り合い、

共に行動する事がリーダーとしてとても大切な事であると考えます。

 

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この記事を書いた人

GFC 上村正和
GFC 上村正和 中小企業診断士・日本生産性本部認定経営コンサルタント・1級販売士

職人一筋、木工加工から精密金属加工までを経験。精密金属加工会社では工場長を務める。現在は、中小製造業を対象に現場が活きる経営のサポートを行っている。コンサルティングを中心にのべ100社の支援実績。「日本の製造業をもう一度世界一にしたい!」という想いで支援を続けている。