スキルマップについてお話します。
人材活性化で非常に使いやすいツールです。人事評価の参考にもなるため、是非使ってみましょう。
今回も「特製スキルマップテンプレート」をダウンロードできるようにしてありますので、
記事と共に参考にしてみてください。
スキルマップとは
スキルマップとは、4段階でスキルを見える化したものです。
以下のように数字の大きさで熟練度が高い事を表します。
- 指導を受けながらであれば出来る
- 手順書を見ながら1人で出来る
- 作業を理解し、1人で出来る
- 作業を熟知し、教える事が出来る
ポイントは4つ目の教える事が出来るという点です。
スキル4であれば免許皆伝ですので、どんどんスキル4まで成長させて、社内のスキルレベルを高めていきましょう。
これまで、指導したがらなかった社員も、スキルマップを見せて話せば、納得してくれるはずです。
スキル一覧としてのスキルマップの役割
大事なのはスキルマップ作製にあたって、御社だけのスキルの棚卸しをする事です。
経営者としては、スキル一覧を把握する事で、さらに伸ばしていきたい技術を確認する事が出来ますので、現場強化の参考になり、現場戦略を立てる材料となります。
現場作業者は、スキル一覧を見る事で、会社全体のスキルを理解する事ができます。
自分以外の人のスキルが見える化されるので、必然的にスキルマップを埋めていきたくなります。
力量評価表としてのスキルマップの役割
スキル一覧で把握した内容に基づき、現場作業者のスキルレベルを確認していく事になります。
スキルレベルを確認するにはやはり、ベテランさんや工場長の評価が必要となります。
社長自身も当然参加して、何人かで埋めていきましょう。
力量をはかる事で思わぬ発見が
私が支援してきた中で、いつも辛口の工場長やベテランさんが、意外な評価をして、社長が驚く事があります。
若手社員の頑張りを評価し、あいつはもう「教える事が出来る」といった意見や、「不器用だけど頑張っているよな」といった好意的な意見が出てきました。
社長自身は頼りないと感じていた現場作業者も、実は着実に成長しているものです。
当然、逆の評価が出る事もあります。
社長がお気に入りの社員が実は「口だけ」だったりして、がっかりする場合です。
しかし、その際もベテランさんたちは、「この作業をやらせたらどうだ」といった前向きな指導方針を立ててくれます。
スキルマップを作るだけで指導の構想が沸き出てくる
あなたの会社で、誰をどう指導しようかといった話し合いはどれだけ行われているでしょうか?
工場長やベテランさんに任せきりで、ほったらかしになっていませんか?
指導熱心な工場長もいますが、自身も現場作業を続けている方だと指導がおろそかになります。
こういった場合、スキルマップを作る事で「若手社員を伸ばしていかなければまずい」という現実に直面します。
それだけではなく、「伸ばしていきたい」という想いも出てくるでしょう。
スキルマップを作る場が、育成計画を立てるための戦略会議になるはずです。
スキルマップテンプレートをダウンロード
今回は星取表の形で出力される掲示用と、1~4の評価を選択しやすい入力用がセットになったExcelをダウンロードできます。
こだわりは、掲示用が自動で色付けされる点です。
私はスキルマップは現場と共有してこそ効果を発揮すると考えています。
ですので、掲示用の見やすさを重視して作成してあります。
お名前とメールアドレスの送信でダウンロードいただけますので、是非使ってみてください。
スキルマッピングのやり方(育成計画)
スキルマップを作るにはまず、テンプレートをダウンロードしてください。
そのうえで、スキルの棚卸しを実施します。
全てのスキルをマッピングすると当然膨大な量となってしまいます。
主要な作業や、主要機械、製品群などでグループ分けしてあげるのがよろしいかと思います。
その中で特に技術が必要なものを細分化して、8~16程度取り上げると最初はやりやすいかと思います。
社長1人でやらずに、工場長やベテラン社員と一緒に意見を出し合いましょう。
全体を把握するにはQC工程表の記事がおすすめです。
手順書を作成予定であれば、下記の記事も参考にしてください。
8~16程度の主要スキルが取り出せたら、それを入力用の項目に記入し、現場業名を記入して、あとは個人の力量評価を行うだけです。
スキルマッピングが出来ましたら、それを見ながら下記のポイントにしたがい、育成計画を立てていきます。
- 誰が(誰を)指導するのか?(スキル4対象者が)
- いつ指導するのか?(日程を決める)
- どこで指導するのか?(座学+現場*指導スペースの問題も検討)
- 何を指導するのか?(スキル項目で決定する。)
- どのように指導するのか?(作業手順書があった方が良い)
スキルマップの共有
育成計画を立てたうえで、現場とスキルマップを共有します。
簡単な見方を説明し、掲示スペースに張り出しておきましょう。
育成計画に合わせ、スキルマップの更新日を決めておいても良いかと思います。
スキルマップが変化する予定日に合わせ、更新を行い、現場と共有をします。
すると育成の結果を全員に見せる事が出来ますので、指導者の頑張りも、若手の成長もみんなで分かち合う事ができます。
指導者のレベルアップにもつながります。
前向きな変化が見えると誰もが嬉しくなるものです。
興味の差はあるものの、成長を喜ばない人などいません。
まとめ
スキルマップを使って人材育成・人材活性化をしていきましょう。
スキルマップ4段階は以下の通りです。
- 指導を受けながらであれば出来る
- 手順書を見ながら1人で出来る
- 作業を理解し、1人で出来る
- 作業を熟知し、教える事が出来る
スキルマップを作る事で指導する側のやる気を引き出す事にもつながります。